「国の教育ローン」は、家計の教育費の負担を軽減し、子供たちの進学・在学を応援するために設けられている100%政府出資の政策金融機関であり、日本政策金融公庫が扱う教育ローンです。

この日本政策金融公庫は、商売を始める方や既に商売を営んでいる方に必要な資金を融資したり、教育面では「進学に関する家庭の経済的負担の軽減」と「教育の機会均等」を図るため、昭和54年に入学費用を融資する目的のために「国の進学ローン」の取り扱いが開始されました。(のちに名称を「国の教育ローン」に変更)

これまでの利用者数は延べ約500万件に上り、平成26年度(2014年度)だけでも新規の融資実績は約12万件となっており、融資総額は計1,812億円にものぼります。

では実際、この国が運営する教育ローンとはどういうものなのでしょうか。

先ずは「国の教育ローン」の特徴をみてみましょう。

1人当たり350万円以内での融資

融資限度額はお一人単位での金額です。もしも兄弟姉妹で利用される場合は、上の方、下の方とそれぞれ350万円まで利用可能です。
融資限度額内であれば、複数回に分けて借り入れすることもできます。

例えば入学時に200万円の融資を受け、その後融資枠の残り150万円の融資を申し込むことが可能です。(海外留学資金の場合も同様)

海外留学資金の場合は最大450万円以内での融資

外国の短大や大学・大学院に6ヵ月以上在籍する資金として利用する場合も含みます。

年1.90%の固定金利(平成28年5月10日現在)

融資契約時に決まった金利が返済時まで続く固定金利のため、借入時の金利が完済まで変わらず、計画的な返済がしやすくなります。

母子家庭、父子家庭または世帯年収(所得)200万円(122万円)以内の方は年1.50%の金利となります。
どちらも機関保証を立てる場合は保証料は別途融資金から一括して差し引かれます。

原則として最長15年返済

母子・父子家庭、年収200万円(世帯所得122万円)以内の世帯や交通遺児家庭は18年以内の返済となります。

返済時期は、借入日の翌月または翌々月の設定日から返済が始まります。
ただし在学期間中は、元金を据え置いて利息のみのお支払いとすることもできます。

担保不要

担保は不要ですが、公益財団法人教育資金融資保証基金の保証を受けるか、または連帯保証人を立てる必要があります。
保証を受ける場合は、融資額や返済期間に応じて、一定の保証料が必要になります。

保証依頼は、日本政策金融公庫から行うことができ、保証料は融資金から一括して差し引かれます。
連帯保証人を選択した場合は、進学者・在学者の4親等以内の親族(進学者・在学者の配偶者を除きます)を立てること。
または、申込みする方と別居・別生計の方を立てます。

日本学生支援機構の奨学金との併用もOK

学費をサポートする制度には皆さんがご存じのように奨学金がありますが、国の教育ローンは奨学金と併用することも可能です。

ここで日本学生支援機構の奨学金とはどう違うのか比較してみることにしました。

奨学金と国の教育ローンの違い

  国の教育ローン 日本学生支援機構の奨学金
貸付(貸与)対象者 保護者 学生本人
利用可能額 350万円以内(1人あたり)
  • 第一種奨学金:月額4.5万円(国公立[自宅生])
  • 第二種奨学金:月額3~12万円(5段階)
申し込み時期 いつでも※ 決められた募集期間
利率
  • 年1.90%(固定金利)
  • 母子家庭は1.50%
有利子(上限3%、在学期間中は無利息)
資金の受け取り方 1年分まとめて 毎月定額
保 証 機関保証又は人的保証 機関保証又は人的保証
返還期間
  • 15年以内
  • 在学中は元金据置可(利息は発生)
  • 卒業後20年以内
  • 在学中は返還猶予(無利息)
申込み窓口 日本政策金融公庫の各支店、代理店 在学校(既卒者が卒業した学校)


※入学時の費用は、合格発表前に申込み可能。必要時期の2~3ヵ月前が申込みの目安。

「日本学生支援機構の奨学金」は学生本人が自ら申込みし、返済も本人であるのに対して、「国の教育ローン」はその保護者が申込みをすため、返済も保護者となります。

また、申し込みから通常2~3週間でお金を受けることが可能な「国の教育ローン」に対して、 「日本学生支援機構の奨学金」は場合によっては6月以降になってしまうこともあります。

国の教育ローンは入学金・授業料以外でも利用できる

「国の教育ローン」は学校の授業料や入学金、施設設備費の他に、主に次のような使用目的にも利用できます。

  • 受験にかかった費用(受験料、受験時の交通費、宿泊費など)
  • 教科書代、教材費、パソコン購入費
  • 通学費用(交通費・定期代など)
  • 在学のための自宅外住居費用(アパート・マンションの敷金、家賃など)
  • 学生の国民年金保険料
  • 修学旅行費用

これらの使用は今後1年間に必要となる費用をまとめて融資できるため、資金を準備することができます。
入学資金については、入学される月の翌月末まで融資してもらえます。

利用可能な世帯年収(所得)の上限額

利用条件として、融資の対象となる学校に入学・在学する生徒・学生の保護者で、給与所得者の場合は世帯年収が、また事業主の方は世帯所得が下の表の年収に当てはまる方が対象となります。

世帯年収・世帯所得には、配偶者などの年収も含まれます。

扶養する子供の人数 世帯年収(給与所得の方) 世帯所得(事業所得の方)

1人

790万円以内

590万円以内

2人

890万円以内

680万円以内

3人

990万円以内

770万円以内

4人

1,090万円以内

860万円以内

申し込みはインターネットでもOK

「国の教育ローン」を申込むには日本政策金融公庫の各支店窓口に来店するか、郵送、インターネットによる申込みも受け付けています。ただし、インターネットの場合はスマートフォンでの申込みは不可です。
パソコンからのみ受付できます。

原則いつでも申込みOKですが、必要時期の2~3ヵ月前から準備を始めるのがベストでしょう。

合格しないと申込みできないのでは?と思いがちですが、「国の教育ローン」の場合は合格発表前でも申込みできます。そのため、入学金などの入学直後に必要となる資金を予め準備しておくことができるのです。

利用手続きの流れ、申込み完了から20日程度で融資完了

国の教育ローン、利用手続きの流れ

「国の教育ローン」の申込み手続きは来店する必要もなく、インターネットや郵送で申込み完了の後、審査が始まります。
審査の結果が出るまで10日程度、借り入れOKかどうかの可否が決定され、本人に連絡が入ります。
実際に融資金が口座に入るまで10日前後かかります。

なお、入学シーズンはどうしても申込みが多くなるため、余裕を持って早めに申込みした方がいいでしょう。

申込みに必要な書類等は「日本政策金融公庫」の国の教育ローンをご覧になってください。
また、「政府広報オンライン」のサイトでも詳しく記載されています。このページの作成についても参考にさせていただきました。

このページのまとめ

政府が100%出資している「国の教育ローン」と「日本学生支援機構の奨学金」は、予めそれぞれの特徴をつかんでおくとどちらを選択すべきかが分かってきます。
併用はOKのため計画性を持って利用すればとてもありがたいサービスとなります。
(例)

  • 入学金&初年度前期学費をまかなえない場合は「国の教育ローン」を!
  • 後期分の学費から利用したい場合は「奨学金」を!

「国の教育ローン」の借入上限枠は350万円のため、入学金や1年次の学費、もしかしたら2年次の学費までまかなうことができます。
ただ、教育ローンの方は奨学金とは違ってすぐに返済が始まりますので注意が必要です(在学中は利息の支払いだけでOK)。